全体主義(1)

視線を飛ばす

ひとつの部分をずーっと凝視していると、全体が見えなくなることがあります。
時間をかけてたくさんのディテールを詰め込むことよりも、その部分が
「全体の中で占める位置(役割)」を意識することが先決です。
視線をあちらこちらに飛ばし、全体を見るクセをつけましょう。
よく「時々絵から離れてみなさい」と指導されるのは、部分への近視眼的集中状態から離れることを「行動」として習慣づけるためです。

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ひとつの方法として、眼などの目印になりやすい部分から仮想の垂線を降ろしてみましょう。
この仮想の垂線の通り道付近にある部分との位置関係を見るのです。
特に「頭」と「つま先」など離れている部分を重点的にチェックしましょう。

絵画における「全体」とは「部分の総和」ではなく「関係の把握」です。