光のしわざ(シャドウ)

シャドウは光源からの光が何かに遮られて届かない「空間」です。
下図の球を地球だとすると、
A:明部 =「昼」
B:シャドウ =「夜」

昼と夜では「夜の方がなんとなく暗い」という程度の差ではすみませんよね。そもそも世界がまったく違うように感じられるはずです。


T: 明暗境界線
といい、昼と夜を分ける重要なものです。パラソルの「ふち」のようにも見えます。ここから先は闇の世界ですよ、と。

shadow  parasol
明暗境界線は見る角度によってカーブの具合が変わったり、直線状に見えたりします。月の満ち欠けと同じです。ちなみに天文学用語で「ターミネータTerminator」と呼びます。
「ターミネータ」がどこに、どんなカタチであるかを注意深く観察し、モチーフを明部とシャドウに分けます。シャドウにトーンをつけるとき、「私はいま、シャドウを描いている〜」と意識してください。
今つけているトーンは「固有色ですか?」それとも「シャドウですか?」 


「反射光」
ところで実際の球を観察すると、シャドウは夜と呼ぶにはかなり明るいように思えます。
それは「反射光」の影響によるものです。
reflection   sphere
床や周りにあるモノ、大気中のちりや水蒸気などもシャドウ空間にも光をはね返します。
私たちの日常ではたいていこの反射光があるためにシャドウの中の様子が見えますが、周りに何もないと(例えば宇宙のようにスカスカだと)シャドウは真っ黒になります。

m991228s

球は「光源からの直接光」と「反射光」のサンドイッチ状態にあり、そのせいでシャドウの明暗境界線付近が周囲より暗く帯状の「シミ」のように見えるのです。