グラデーション


グラデーション=トーン(調子の濃さ)を段階的に変化させること


「画家の腕前はこのグラデーションをいかに<階調豊かに>描きだせるかにかかっている。」

そう思い込んでいるケースが多いみたいです。
西洋古典絵画で描かれている人肌などを見ますと、なめら〜かに明るいところから暗いところに「グラデーション」してますね。
この 「滑らかさ=写実的」 という思い込みがクセモノでして、これにとらわれすぎると「古典的ななめらかな影」を描くことに何年もエネルギーを注ぐことになります。
「オカシイ、出だしは良かったのに 描けば描くほど絵が気持ち悪くなる・・・。」
私もこのワナに長いあいだ悩まされた一人です。

samsondelolah ルーベンス「サムソンとデリラ」1609 部分

もちろんルーベンスの達者は誰でも認めるところでありまして、ああ描いてはいけない、というつもりは全くありません。

実はオールドマスター達はトーンに関して、表面上見えるようには「複雑に」描いてはいない、ということなのです。