デッサンで宇宙を知ろうとした男(その2)

davincidrawing_webレオナルド・ダ・ヴィンチ素描

彼の探求の足跡は膨大な素描として残されています。
 ○人体解剖  ・・・教会に一度逮捕されています。異端扱いされる危険を承知の上、命がけのアドベンチャーですね。
 ○土木や機械 ・・・しばしば自分を「エンジニア」としてパトロンに売り込んでいます。その方が「絵描き」としてよりもずっと「使えるヤツ」に思われたのでしょう。
 ○鳥の翼の研究・・・彼は真剣に空を飛ぼうとしていたことが伺えます。「天に近づこうとする」行為は、「バベルの塔」と同じく、神への挑戦と解釈できます。
 
 
ルネサンス以前、世界の成り立ちとは教会から与えられたストーリーがすべてでした。 「天地創造」「原罪」「最後の審判」・・etc、 観念の縛り付けは現代より過酷だったといえるでしょう。
教会は「同じように考え」「同じように行動し」「死におびえて教会にすがる」ように民衆を誘導(一種のマーケティングですな)して支配を続けてきました。 異端は「村八分」どころじゃない、ヘタすると処刑されたりしたのですから・・・。
 
レオナルドは 「どうやらそういうことになっているらしい」 ではなく、いま、目の前に見えているモノ・現象に向き合うことから始めました。 そしてその奥底にある自然の仕組みを理解することで何かを
「創造する」。 それこそがレオナルドの興味の対象だったのです。
それは飛行機であったり、ロボットであったり、・・・それが彼の
「表現=(理解した内容を具体化したもの)」なのです。