デッサンで宇宙を知ろうとした男(その3)


slide0017_image066レオナルド・ダ・ヴィンチ「ウィトゥルウィウス的人体図」

レオナルドは「画家」を自負していましたが、絵画は彼の「表現」の一部であったとも言えます。絵画を通じて彼が求めたのは表面的な形態の模倣ではなく「物事の成り立ち、仕組み」の理解です。膨大な数の素描は対象と積極的に関わり、理解するための手段でした。
その理解の内容をいかにその時代に有用なものとして具体化するか。
レオナルドが現代に生きていたら彼の興味は間違いなく「知識のフロンティア」に向かっていたはずです。宇宙開発か人工生命か・・・まだフロンティアと認識さえされていない領域を見つけてしまうかも知れません。
彼の絵画の完成作の少なさを嘆く必要はありません。見習うべきは「結果」ではなく(失敗に終わった実験結果が多い)、どう世界と向き合ったかという「姿勢」なのですから。